*乱読事始め*

気の向くままに視覚に入った本・インスピレーションを感じた本の感想を書いてみます。

投資家がお金よりも大切にしていることー藤野 英人:久々に感動。良書です。

本書の帯に 

糸井重里氏:これはいい参考書です。 うちのスタッフも全員買いましたよ。

堀江貴文氏:もっと話題になって売れていいい本だ。投資・お金に関する正論のオンパレード。

とどめが「インベスターZ」も大推薦。

となれば、手に取ってみたくなるわね。書店でも

おすすめ平積みコーナーの入り口に設置。 ということは、書店員さんも本気で推薦している本なんだ。

さわりを読んで、即買いしました。

 

冒頭から、諭吉先生の顔面アップに

「私は お金 が大好きです。」 とあり、インパクトが強い。

そのがっつーんにやられて、すらすら 「はじめに」

に読み進めます。

お金は私達の人生にとって必要不可欠なものであるにも関わらず、ある意味一番縁遠い存在なのです。

 うん。 そうかもしれない。 と素直に思います。

 お金を使って、何をするか?

お金を通して、何を考えるか?

 お金を考える事は、まさに人生を考えること。

お金について語ることは、どう生きるべきかという「人生哲学」を語ることでもあります。

と 語りかけ、 とどめを刺します。

私達は人生のあり方をお金に投影しているのです。

ここまで、読んで 目からうろこです。

お金の使い方に人生のあり方が反映される。 そうです。

そうなんです。

お金をたくさん持っているということは

人生においてアドバンテージになるが、使い方によっては

社会貢献もできるし、人を笑顔に、幸せにすることもできる。

誰かの為になることができる可能性が広がる。

 

著者 藤野氏が指摘するように、

お金を貯める、稼ぐ、増やす とまあ、欲望にまみれた

トピックについては たくさんの書籍を見る事ができるけれど、

本書のように、「お金をどう使うか?」 について

真摯に語った本書は お金・投資 について抱いてきた既成概念を

180度 変えてくれました。

 

「第4章 世の中に虚業なんてひとつもない。」

いいネーミング。

この部分がビンビン響いてきました。

ビジネスや投資をマネーゲームだと思っている人は、

株価をデジタルなものだと感じてしまうでしょう。

株式(株券)を単なる紙切れだという人は、やはり経済のことをわかっていないし、会社の価値を軽くみているのだと思います。

本来あるべき金融教育とは、働くことに価値があり、その価値ある労働の

延長に企業の利益があり、その利益の将来期待が会社の価値を形成していると理解することです。

少なくとも、資本主義社会のなかで金融教育を行うには、まずは労働の意義や会社の本質についてしっかり教えてからでないとダメでしょう。

 

日本もアメリカのように、金融教育の取り組みとして、学生に株式ポートフォリオゲームをやらせてみましょうという発想はある。 まあ、一部実施しているところはありますが、

残念ながら、結果的に誤った認識を植え付け、株式投資=博打・マネーゲーム、いわゆるパチンコや競馬となんら遜色ないものだと 思われてしまっているのではないのでしょうか?

本書では、残念ながら現実はそんな偏見を持った人が多数であると

締めていますが、 この大多数の人の認識を変えない事には

日本人の貯蓄習癖は改善されないと。。思えてなりません。

貯蓄習癖が治らない限りは、投資にお金が回っていかない。

つまり、何も現状は変わらない。 

 

本書をきっかけに 

「労働の意義や会社の本質」について 真摯に向き合ってくれる人・理解をしてくれる人→ 真面目な人 が少しでも、増える事を説に願います。

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資産フライト 「増税日本」から脱出する方法-みな平等に!公平に! 累進課税は善か?悪か? 

 

すでに大きなトピックとなっている 相続税の改正が発表されて、いよいよ今年から適用となり、遺産に係る基礎控除の金額が 5,000万→3,000万になり、東京都内に住んでいる一般市民は関係ないもんね~。なんてどこ吹く風の事と聞き流す事が出来なくなりました。

どんな内容なのか? 確認したい方は ↓のサイトでご一読した方が良いでしょう。

相続税の主な改正の内容 : 財務省

 

前置が長くなりましたが、本書は東京都内在住の小金持ち向け キャピタルフライトのHow To 本のような感じです。

独断で気になったトピックを3つ取り上げます。

 

第1章 成田発香港便 

日本人が海外で銀行口座を作成しやすいHONG KONGを舞台に

ビジネスで成功したご夫婦の「これで安心。海外口座送金方法?」のようなエピソードからスタート。思いっきり、日本の先行き不安感をあおられます。

海外赴任や留学経験者は海外に銀行口座ぐらい持っているので、珍しい事ではないのですが、

現金を無造作に持ち出ししても見つからなかった。。。。というのが凄い。

新興国なんかに入国する際には思いっきり、税関で数枚抜かれてしまいそうだし、襲われそうで、逆に不安になりますが、小市民とは発想がここからして違う。

 

第2章 震災大不況

震災後の日本経済停滞状況を(今思えば懐かしい。)

大航海時代に栄華を誇ったポルトガルの例をたとえて、現在の日本の状況といささかオーバーラップするのでは? と現在の社会状況を踏まえてこれまた危機感をあおられます。 なるほど。当時の著者は日本の見通しは暗いと思われたようです。

 

第3章 海外投資セミナー

日本の相続税は富裕層に懲罰的ー大いに勉強になりました。

以下 本書に掲載されている 先進各国の相続税 最低税率~最高税率を比較してみよう。

 

1.日本 10%~55%

2.アメリカ 18%~35%

3.フランス 5%~40%

4.イギリス 一律40%

5.ドイツ 7%~30%

 

租税の方式も異なる。

・ドイツ、フランス  遺産取得課税方式

・アメリカ、イギリス 遺産課税方式

・日本        法定相続分課税方式

アメリカやイギリスの遺産課税方式では、遺言執行者または遺産管理人が納税義務者となる。 生前に遺言を残したり、遺産管理人をおいたりすることである程度プロテクトできるのが、大きな特徴。

これに対し、遺産取得方式と法定相続分課税方式では 相続人、受遺者が

納税義務者となる。

相続税というものは、もっとも簡単に言うと、「遺産に課税される税金」である。ところがこれには 二重課税という問題が常に付きまとう。

なぜなら、遺産というものはもともと税金を払った上で残った資産だからだ。

 55%も税金を納めることになるのであれば、企業経営者でもある資産家の士気はおちるし、元資産家は一族に優秀な経営者を輩出できなければ、3代で没落の憂き目にあうことは確実。

おまけに、租税方式も 法定相続分課税方式 でしっかり取り上げられて、

「稼いでも無駄である。」と言われているようである。

ここまで、読んでみてまとめると、

 日本は「貧乏」であることの方がメリットが高いので、抵抗したところでしっかり召し上げる。

となると、資産を家族に残したいと思うのであれば、合法的に資産を海外に移すことを考えようと。。。。いうことである。

というわけで、「海外投資セミナー」が活況となり、(また 詐欺に遭う人も増えそうなのであるが。。。)

得に 海外投資リターンを売りに投資アドバイザーがセミナーを開設、海外不動産セミナーやツアーの参加者も増えてます。 その気になる参加者は意外にも

サラリーマンが多く、霞が関のキャリア官僚もいらっしゃるそうな。

しかも、すでに上海やマカオに物件を所有しているとの事。

もはや富裕層?に限ったことではない。。。。ようである。

ここでも 巷では有名なエピソード

小泉政権の時の経済財政政策担当・竹中平蔵氏は国内では数年間で4つの不動産を取得し、しかも銀行借り入れと一括返済をくりかえすという奇妙な取引を行っていた。そのうえ、毎年暮れには住民票を海外に移し、年を超えてから戻すという、合理的な節税術を身につけていた。

それを考えれば キャリア官僚が同じようなことをしても なんら不思議はないのだが。。。

 

 お役人も元大臣も 法律に抵触しないようにうまく節税対策している! ということで、なんら問題はない。

 

実際に、2013年には三菱商事の金属部門シンガポールに移転しているし、目鼻の利く若い世代の人達は日本に見切りをつけて、シンガポールやマレーシアといった節税国へ移住をしている。

<このトピックが気になる方は↓をご一読するといいかも?知れません。>

節税と資産フライトの真実、教えます | レアメタル王・中村繁夫の「スレスレ発言録」 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

あの、大富豪 ジム・ロジャースも現在はシンガポールに住んでいるからね~。

 

問題なのは、 財務省国税局から指摘される租税方法であり、富裕層の立場から鑑みると 日本の相続税法は富裕層の対して懲罰的である。ということで、

彼らが自分自身の資産を守るために 海外投資・運用方法を考えるのは

致し方ないと思う。 おまけにアベノミクスは一応成功しているけれど、べらぼうな借金を抱えている以上、日本国の先行きは不安ですからね。

 

財務省国税局ー税務署は「お金持ちに課税することで格差の拡大を防ぐ」という大義名分をもろ刃を振りかざして、懲罰的な相続税法の新設や税金の取立に躍起になるよりも、税金の使い方や運用にエネルギーを傾けていただきたいものである。

ホントに、税金が無駄に使われているから(怒)特に議員先生の皆様方!

脱税したくなる富裕層の気持ちも共感できる。 

 

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不動産関連本:新版「築20年超え」のアパートマンションを満室にする秘訣

私のような右も左も全く分からない

アパート・マンション経営の初心者向け良書。

運営管理会社 「市萬」代表取締役でもある 西島 昭氏のノウハウを写真や、具体例を挙げながら、内容もかなり具体的に踏み込んでレクチャーしてあるので、

賃貸運営会社ってどんなことしてくれるのかしら?

大家さんになったものの、アパートマンション経営の心構えはと?

といった素朴な疑問に答えてくれています。

本を購入された方には 特別セミナーの無料招待券ももれなくついてきますので、

サラリーマン大家さんや私のようにいきなり?大家になってしまった人に対応した不動産に関するさまざまな問題をトピックに挙げて 大家さんも勉強する時代です!と

ばかりに啓蒙活動にも力をいれているようです。

特に「法律」「税務」「相続」といったHotなトピックにフォーカスしてセミナーを行っている。

 

但し。。。意地悪な見方をすると、

本1冊を購入のみならず、「無料」のセミナー参加でペーパーメディアをきっちり利用して、見込み客をお客みずから出向くように呼び込み、啓蒙して集客をはかる。

ホップ→ステップ→ジャンプ が明快。

無理・無駄がないな~。

「効率」をモットーにお仕事されているんでしょうね。きっと。 西島社長って。 

 

過去に読んだ 山岡清利氏著作 「「遠方・地方・激戦区」でも満室大家さんになる方法」を読んだ方はこちらの本は不要かもしれません。

肝は、自分で勉強して不動産管理を関係協力機関と一緒に実践するか?

それとも コストはかかるけれども、管理運営会社にすべて丸ごとお願いしちゃうか? の 二つに一つ。なのですが自分の目でみて確かめた方が得るものが大きい。とわたしは思います。

Amazon.co.jp: (新版)「築20年超え」のアパート・マンションを満室にする秘訣: 西島 昭: 本

 

不動産関連本:土地の購入を検討されている方は必読/こわーい土地の話 三住友郎

題名からして 「この本面白そう」心を誘います。

ペンネームも「三住友郎」で著者のブラックジョークのセンスが

は感じられます。

肝心な内容ですが、

2004年に単行本、文庫化が2009年と やや古い情報?と思われがちですが、大いに役に立ちますし、おすすめ。

 

イントロから笑えます。

はじめに

不動産業者の手のひらの上でお客は踊る。

売り手の買い手の情報格差をなくすために

中略

どの世界でも「エェかげんな仕事している奴は、駆逐されるべき」なのです。本書はそんな違和感に対する私自身のひとつの回答です。同時に、消費者の夢をかなえるような素振りをしながら、実は自分たちのことしか考えなかったわが業界の、ある意味「内部告発」でもあります。

 

心意気と志は敬服します。

 不動産は値段があってないようなものです。このご時勢にあってなお、営業マンの気分ひとつで平気でウン百万円も損したり、得をしたり....しかも、お客さん本人は気づきません。こんなこと他の業種では考えられません。 納得できます?

 当然、出来ませんわね。

こんな口語調の文体で、わかりやすく 三友さんの扱った土地売買のビジネスケースを次々紹介してあります。

解説を読む中で 土地探しのイロハ、瑕疵物件をつかまされない為の注意事項や条文の説明などなど。知識を平行して得ることができますので、

土地の購入から一戸建てを検討している方向けお役立ち情報満載。

しかしながら、

この本を読んでみると、人生のうちで1回かもしれない大きな買物なんだから、妥協は禁物!と言われているような気持になっちゃいます。

 

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カイジ-命より重いお金の話 木暮 太一:大人になったら読んでおこう。

木暮さんの本はわかりやすくて 理解が難解なトピックでも

するりと頭の中に入ってくれる。

本書はマンガ 「カイジ」の主人公:伊藤開示くんを

モチーフにして マネーリテラシーをやさしい言葉でレクチーャ

してくれる良書です。

 

冒頭に出てくる 著者の言葉を引用したい。

 経済を知ることでより良い生き方を選択できるようになる。

(経済学はお金を稼ぐための学問ではありませんが。。。)と

木暮さんは 注釈をいれていますが、

お金と経済の関係は知っておいた方が良い。

そのためにも 学校教育では決して教える事のない

お金の勉強をしておこう! ということなのである。

お金の知識が無いために 不幸にならないように。。。。

「稼ぐ」「貯める」「使う」「守る」

特に本書では 「使う」「守る」のスキルを強化するために

備えようと 警告してくれる。

 

記憶しておきたいトピックは3つ。

 

1)借金をすることに躊躇しなくなる若者。

このままでは一億総借金時代が到来する。

消費者金融からお金を借りて、生活の足しにします。」

中略

NTTデータ経営研究所が実施した「消費者金融利用者の人物調査」の結果によると、全体の4割程度の人が

「生活の足し」として消費者金融を利用していることが明らかになりました。

つまり、何か欲しい物があり、そのためにお金を借りるのではなく、衣食住という当たり前の生活費が工面できないから借りているというのである。

これはショックだ!

生活費を工面するための借金返済は困難であるし、しかも多重債務者の数は現在高止まりで、一度 カイジのように借金地獄に陥ったら救うための制度(法整備)は今の日本には十分に用意されているとは言えないそうです。

こんな現実であるにも関わらず、世の中はまるで借金をすることが

悪いことではない。もっと気軽に借金をしよう。という風潮になっており、その甘い考えが 「一億総借金時代」の引き金になるのでは。。。と作者は懸念しております。

「生活費」工面の為の借金は 自転車操業のごとく、

返済しても また「生活費」が足りなくなって

さらに「生活費」を借金してしまうんですからね。。。

お金の使い方を見直して、安易に借金に走ってはいけません。ということで。

 

2)元金均等返済と元利均等返済の違い

元金均等返済とは?

>もともと借りている元金を返済期間で均等に割り振り、それを毎月返済していく形式

 

元利均等返済とは?

元金と利子をあわせた返済額が毎月同じ額になるように支払っていく形式。

 

さてどっちが有利なのか?

以下そのまま 引用します。

 

多くの場合は「元利均等返済」が選択されます。この方が月々の返済金額が少なくて済むからです。

しかし、実は金利を先に支払う方が圧倒的に不利!なのです。

なぜ?

それは、「元金が減らなければ 金利がかかり続けるから」です。

こわいですね。

私も 金融リテラシーがまったくないまま、銀行ローンを組んでしまったので、確認したところ、

しっかり「元利均等返済」になってました。

銀行にしてやられた。というか、知識が無いと毟り取られるということですね。

 

3)単利と福利の大きな違い

単利とは?

もともとの元金にのみ金利がかかる計算方式

福利とは?

発生した利息にも金利がかかってくる。

 

実際計算してみると、その差は大きいが それは

本書で確認してみてください!。

 

 

かつて、あのアインシュタイン

「福利は人類史上最大の発見」と言葉を残したという説があります。

 

真偽は定かではありませんが、それだけ福利の威力はすごいのです。

銀行の定期預金利息が 福利なら WELCOME なんだけどね。

 

どうです。 お金の生きた勉強。

明日から活用できそうな スキルですよね。

カードでお買いものをするときも ポイントにばかり

気をとられて、リボ払いを選択しては NGですよ。

「元利均等返済」方式ですからね。

毎月の返済額に占める利子の割合が増える。

=元本の返済がなかなか進まない。

さらに この時の利息は 福利というおまけつき。

まさに 蟻地獄です。 

カモネギにならないよう 知識武装 しましょうと

本書は わかりやすく説明してくれています。

他にもいろいろトピックはいろいろありますが、身近な

注意喚起は上記3点。

渡る世間は鬼ばかり」を実感できる一冊でした。

 

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沈みゆく大国 アメリカ-堤 未果:日本人なら一度は読んでおいた方が良い。

残念なのは、タイトルが平凡すぎて 書店ではなかなか手に取ってもらえない可能性があります。

「沈みゆく大国 アメリカ」

この題名で どんな内容を想像します? 

オバマ大統領の医療保険制度改革法の行方」風に 何かサブタイトルをつけないと リーマン後の経済問題? 社会問題?系の本?と思われてしまい、医療保険の問題について書かれた本とは?想像しがたい。

本書はブックファーストで平積みになっており、さらに本書の内容について書店スタッフのPOPまで付けてあったので、私も「手が伸びて」購入した次第。

 

読み応えがあった。 オバマ大統領の医療保険改革法についての

問題点を鋭く突き、全国民の保険加入義務化による新たな弊害、医療システムの行方、過酷な労働環境に置かれている医師や医療関係者から聞き取ったルポはアメリカが本当に大国なのか? 信じがたい現実を突きつける。

今後はアメリカから日本に要求されるであろう我が国の医療市場開放の圧力を著者は懸念している。

日本の心ある医師や厚生労働省の医療に対する概念がアメリカに飲み込まれてしまわぬように。

 

著者の

「知らないとういことは、スキをつくることになる。」

本書で著者のインタビューに答えている

ハーレム在住のドン医師のコメント

「無知は弱さになる。」

この言葉をしっかり心に刻んでおこう。

 

日本の国民健康保険制度の有難味を改めて認識させられる。

誰もが公平に医療行為を受ける事が出来る環境と制度。

負担だって、たった 3割です。

突然のけがや病気で破綻する(医療破綻)ような

常軌を逸脱した医療費を国民が負担しなくてはならない

システムが複雑すぎて 国民が理解できないアメリカの保険制度。

(保険商品の複雑さについては 日本も同じだけれど。。。)

WHOが絶賛し、世界40か国が導入する日本の制度を守っていけるように、社会や制度をアメリカ型に変えようとする

日本の国内政策と法改正の動きを阻止にしなくてはならない。

 

さらに ドーン医師の言葉を引用したい。

今の医療保険制度を、空気のようにの当たり前にあるものだと思わないことです。

制度というものは、一度奪われると取り戻すのは本当に大変ですから。奪われないためには 自分の国の医療制度ぐらいは最低限知っておくことです。

アメリカ医療にもメリットはありますよ。その実態をみると、どんな国の人でも、自分たちの医療制度に感謝することができるんです。

 

 

重い言葉である。。。

奪われたいためにも、私達は 当然のように享受している

医療保険制度と今後変わりつつある法改正について知っておくべきであろう。知らないうちに 手遅れにならないように。

 

久しぶりにまじめモードで読める本でした。

日本人にうまれて良かったと。。。思える一冊です。

 

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不動産関連本:「空き家」が蝕む日本ー日本の住宅事情を予測してみよう。☆

まったくの異業種から、新米大家となり「不動産」の世界へ飛び込んで、

早くも1年と半年。

ビジネス系の雑誌で騒がれている「空き家問題」不動産投資家の端くれとして2020年 東京オリンピック問題?とか、

今後の不動産市場を勉強しておきたい方は、チェックしておいた方が良いかもです。

いろいろな人が「空き家」問題については様々な本が出版されていますが、

著者の長嶋 修氏は 元不動産業経験者で現役の不動産コンサルタント

ざっくばらんに今後の不動産展望を赤裸々に書いてます。

とはいえ、

この手の本は参考にしているDataのリソースが同じなので、

内容もほとんど、他の「空き家」本と比べてもあまり遜色なし。

仕事で知識を得る必要がある。。。人にはおすすめ。但し文章の書き方とか個人の好みがあると思うので、立ち読みしてから ご購入をお勧めします。

 

前置が長くなりましたが、

著者の 長嶋 修氏は 叩き上げの不動産マンではなく、

別業界からの転職組。

第一章 日本の不動産 現場からの疑問

この章で、別業界から参入してきた 通常の商いと大きく

異なった 不動産業界の商習慣に遭遇。

ことごとく、疑問点を挙げていきます。

この章はかなり衝撃的。 以下 サブタイトルと

私なりの視点で選んだトピックです。

 

「価格査定の驚くべき実態」

>かなりあいまいで主観的な価格設定。

どうも価格査定に関するガイダンスや規定、根拠なんぞは無いらしい。 あえていうなら、「取引事例比較法」 があるが、これも検証がなされていない、不明瞭な価格設定の事例。

結局は営業マンのカンと経験のみに基づくもので決まる。

 

「物件情報の囲い込み」

>物件情報は保留される。

簡単にいうと、他社からの客付をさせないように、優良物件の情報流さず手元に保留する。

「建物の知識は問われない 宅地建物取引主任者

宅建の資格試験は法律の知識を問う試験ですので、

建物の知識がある人は。。。意識の高い人を除いて

ほぼ皆無。雨漏りの原因なんぞ質問しても 答えはでません。というよりも 答えられません。

 

「不動産の価値と住宅ローンの奇妙な関係」

>金融機関は不動産担保価値は二の次。本人の属性を重視。

本人の属性とは 年収や勤務先、勤続年数など。

安定的な収入が見込めるか?どうか?が重要。

 

「入居直後から債務超過になる?」

>買ったそばから建物の価値はガタ減り。

日本の住宅は25年でゼロ査定。

新築にもっとも価値が高く、人が住んだ瞬間に2割減。

10年で半値、25年でゼロ査定。

この価値下落スピードは住宅ローン残高の目減りを上回ってしまうそうです。

しかもこれは「地価が変わらない」という前提条件。

都心部の優良一等地以外は人口、世帯数減や住宅余剰の影響で地価下落が予想される。。。。

そうなると、入居直後からいきなり、債務超過

 

本書の肝である 第二章 「空き家」が増え続けるのはなぜか?

こちらも読んでいてぞっとしてきます。

「空き家対策に多額の税金を使う時代に」

そのまま、原文を引用します。

すでに、現時点で 2008年総務省のデーターによれば、

その当時で全国の空き家数は760万戸、空き家率で13.1%

と7~8件に1件が空き家という状態。

1963年から2008年までの45年間で

住宅数の伸びが3倍強であるのに対し、空き家数は10倍以上に跳ね上がっています。

 

この調査は5年に1回 公表されますが、(2014年7月に新しいデータが公表されている)

さらに今後は加速するもの。14%を超えているものと予想される。

 

東京23区内だからといって安心していられない。

持家マンションの空室率は

中央区 34%と実に3件に1件が空き家という状態。

ついで、渋谷区・千代田区が21%

品川区が19%

どれも超がつく都市部

賃貸マンションでは

千代田区が36%

中央区が28%

目黒区27%

荒川区19%

台東区18% と続きます。

賃貸アパートは中央区 36%

目黒区35%

荒川区・足立区32% と高くなっています。

 

足立区では老朽化が原因で倒壊の恐れのある物件が1700件以上あり、

そのうち50件超が特に危険と診断され、条例を制定したようです。

木造に50万円、非木造で100万円を上限に助成を行い、持主に解体を促す。

つまり、自治体が税金をつかって、解体を促す。

空き家対策に多額の税金を使う時代に突入したということですね。。。

恐ろしい。

 

その他の項目は 空き家のまま 放置しておいた方が固定資産が安い。

などなど、前回 感想をかいた「空き家問題」とダブりが多いので、割愛。

 

「空き家率が30%を超えた世界にはどんなことが起きうるのか?」

都市環境が悪化し、居住快適性が極端に低下する。

となると、治安が悪くなり、犯罪が起きやすくなる。また、人が住んでいない為に

行政のコストも割高になるようです。

コンパクトシティの取り組み(富山市)もあるが、こうした事態が日本全国津々浦々に広がっていくことが予測される。

 

「なぜ空き家が増えるのか?」

著者はバッサリここで言い切ります。

必要以上に新築を造りすぎるから→ ではなぜ? 新築を造りすぎるのか?

宅建設は景気対策の道具だから!

というわけで、このタイミング(つまり民主党政権から自民党政権への移行)での

東京オリンピック開催決定はアベノミクスを加速させたということですね。

新築住宅建設は経済波及効果が高い!ので。 速攻力があるようです。

「新築住宅建設に税金を投入することで空き家を増やし、その対策の為にまた税金をつかう。」という構図になっていうわけです。

結局、元に戻るのか?

いつまで、税金の無駄遣いが続くのか。。。

結局 日本って

田中角栄以降の政治家は同じ事の繰り返しばかりで、むなしくなってきます。

バッファの大きい 土建と建築業に依存してばかり。 

お役人様 もっと有意義な税金の使い方を その優秀な頭脳で

考えてほしいものです。。。。。 

(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)