不動産関連本:マンションチラシ解読術-武内 修二:新築マンション購入をご検討されている方はご一読をお勧めします。
マンションチラシ解読術 題名のまんまの本です。
良書です。書籍の題名もコピー、内容もわかりやすい。
不動産購入を検討しているものの、膨大な資料の中でアップアップしている人は
たくさんいらっしゃると思います。
その中で何を指針にして、ポイントにして膨大な資料を読み解いていったらよいのか?
大丈夫です。本書は著者の武内氏が
4年間で2000枚とう膨大なチラシを読破したデータと調査した結果を素人目線で優しく解説してくれてます。
本書の構成は以下の通り、
第一部 チラシ読みの達人になる為に
第一章:マンション・チラシの基本ルールを知ろう。
第二章:マンションにもいろんなタイプがある。
第三章:周辺環境を読み解く
第四章:間取り図を読み解く
第五章:マンションのグレードはピンキリ
第六章:付帯施設を読み解く
第七章:手続きで悩まない為に
第八章:販促技を知ろう。
第二部 私の週末チラシ日記
主に第一部にチラシを読み解くヒントは凝縮されているのであるが、
私が多いに役立ったのは、
第四章: 間取り図を読み解く
本来、間取り図には建築に明るくない人でも理解しやすいように作成するのが本筋ではあるが、業界の自主ルールに違反することがなければ、ぎりぎりモードで販促テクニックを駆使している。
ポイントを本書より 抜粋
主な4つの「販促ワザ」を紹介しよう。
(1)南向き向き以外のリビングでも下側に書く。
(2)見栄えのする角住戸ばかりを掲載する。
(3)ローマ字表記で高級感を醸し出そうとする。
(4)間取図から寸法を測らせない。
とまあ、これだけでもかなり売主側の悪意を感じるのだが、
心配ご無用。本書はちゃんとこんな問題に対抗すべく対応策を伝授してくれている。
間取りの問題の場合の対策として
住棟配置:複数の間取り図を張り合わせて、住戸の位置関係を調べよう。
これは、各住戸をジグソーパズルのように張り合わせる事でマンション棟全体のおける住戸の位置を手繰り寄せることができる。→ 設備やエレベーターシャフトなどの物件の弱点が発見できる可能性が高くなる。!
フリープランは騒音トラブルのもと。
間取りにバリエーションを持たせて一定の期間に契約をすれば、好みのプランを選べるというフリープラン。
買主目線で考えると、間取りの選択肢が増えるので、お得に思えるが、
最大の問題点は 間取り変更に伴い 水回り(トイレ、台所、洗濯機など)が生活騒音トラブルの元になる恐れがある。
洋室にカーペット使用が多いのは、なぜ?
ズバリ コスト!の問題。 階下への遮音性能の確保に効果的でおまけに安価。
ただし、ダニやカビの巣窟になるので、ハウスダストのアレルギーがある人はNGですが。。。
角部屋よりも中住戸
マンション棟の妻側にある「角住戸」は3面が外部に面しているから外壁や窓からの熱ロスが大きく、室内の温度調節が難しい。が、
「中住戸」は左右の住戸が断熱空間となってくれるので、省エネタイプの住戸と言える。
マンションは戸建て比べると外部に露出する面積が少ないので、防犯性能や省エネ性能が高い事。中住戸はさらに省エネ住戸ということで、もっと利点をアピールしても良いのでは? いかんせん 日本人は南向きと角住戸にこだわる人が多いので。。。
サービスルームの正体
サービスルームとは? なんぞや?
本書の説明によると、建築基準法上の有効採光が確保できない部屋をカモフラージュするための呼称。
有効採光面積が確保できない部屋は居室とは認められず、(建築確認申請が受理されない)ということで、デベロッパーは申請を完遂するために「納戸」として申請するのであーる。
申請が受理されれば、「納戸」ではイメージが悪いので、イメージアップの為に
「サービスルーム」と言葉を粉飾するそうな。
著者の武内氏は警告する。
マンションチラシに馴染みのない外来語を見つけたら要注意。!
ここまで、読んでどれだけ救われる人がいるだろうか?と考えてしまう。
とかく、その場のムードと勢いで人生の大きな買い物を決めてしまうことがいかに軽率なことか認識させられる。
武内氏は果敢にも疑問に思う事は売主先であるディベロッパーへ電話にて問い合わせをしている。その押し問答のやりとりも読みごたえがあり、不動産を購入を検討している人にとって多いに励みになる。
次回は是非! 中古マンションの解読術を指南していただきたいものです。
マンション・チラシ解読術―“販促ワザ”を見抜く法 (中公新書ラクレ)
- 作者: 武内修二
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 新書
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