*乱読事始め*

気の向くままに視覚に入った本・インスピレーションを感じた本の感想を書いてみます。

不動産関連本:失敗に学ぶ不動産の鉄則-幸田 昌則:おすすめ&良書 不動産購入・投資の手引書としてわかりやすい内容です。

今年の目標とか打ち立てる人もいるが、

目標を高く掲げすぎると、目標までの道のりで挫折してしまうことが多いので、

明日の目標、来週の目標と細切れに頑張ってみたい。

というわけで、最低でもビジネス勉強本を1冊、趣味の読書から1冊、不動産本から1冊を最低でも1か月に3冊は記録できるようなるといいな。

(すごい低い目標なんですけど。)

と一応、頑張ってみたものの、ブログにアップするのが

億劫になり、さぼりにさぼって、早くも4か月。

継続こそが力なり。と自分に言い訳してます。

 

不動産本から今月はチョイスしたのは、

「失敗に学ぶ不動産の鉄則:幸田 昌則」

 

発行されたのは2009年、6年前の内容でも読みやすく、要点がまとまっている不動産購入者向け手引書です。

ご自身の主催するサイトのコマーシャルの連呼もあまりなく好感を持てる。

プロローグはクイズ形式の事例アプローチで読者の想定しそうな疑問から、「不動産の失敗」が繰り返される状況がなぜ起きるのか? 不動産の事をちゃんと勉強するように

個人、不動産業界、金融機関が繰り返す失敗事例を検証し、失敗の法則を解き明かしていきましょうよと、ばかりに問いかけている。

 

目次を見てみよう。

 

第1章 「いよいよマイホーム」の落とし穴

第2章 投資家を待ち構える罠

第3章 危ない不動産業者の考え方

第4章 懲りない金融機関

第5章 失敗に学ぶ不動産の鉄則

第6章 どうなる、どうする不動産

 

気になるトピック!ばかりだな~。

 

各章から 気になった箇所をPick Up してみます。

 

第1章 「いよいよマイホーム」の落とし穴

大幅値引きの「新価格」はお得か?

本文から引用してみましょう。

8000万円の新築マンションを2000万値引きし、新価格として6000万円に設定しました。

その結果、多くの人が、2000万円も値引きして売るのなら、お得だと意気込んで買いました。

そして、数年後、事情があって中古マンションとして売却をしようとすると、すぐには売れないうえに、最終的には購入価格の半値でしか売却できませんでした。

人間の心理として8000円の物件を2000万円引きでと言われれば、正直 一瞬 大きく心を揺さぶられるものでしょう。

しかし、よくよく考えてみれば、最初の8000万という値付けそのものに妥当性が無かったのです。

 

そうなんだすよね~。私の経験にでも

不動産のプロだから。。。。と思い、

賃貸マンションの家賃を決める際に、地元の不動産屋さんにお願いしてコメントを頂きましたが、

水回り設備の経年(つまり古いキッチン、浴室、洗面台)を挙げて、かなりの安値でないと

お客さんは付けられない。という趣旨の話でした。

当時は不動産屋さんのコメントを真摯に受け止めて、値下げしたけれど。

その根拠って妥当性は全くなかったな~。

 

本書でもさらに、つっこんで

 

新築のマンションの売り出し価格を見て、これは高いと感じても

「土地の取得価格が高かった。」「原材料の高騰で建設費がかかった」などと言われると、

不思議と納得することがあります。

 

まさに、その通り!

 

しかし、これはあくまでも売り手(不動産屋さん)の論理です。

 

なるほどね。

 

ここ数年も(2007年 リーマンショック直前)は地価が高騰していく局面がありましたが、購買力を超え、これからは、上り続ける」という集団心理が働いて価格が上昇していく現象は、すなわちバブルなのです。

 

あれれ、きちんと精査してみよう!

この現象は、今 東京オリンピックまでが不動産のピーク!とばかりに 地価が上がっている現在の

状況がぴったり!じゃありませんか!

 

さらに 著者は警告します。

 

バブルに近い状況でつけられた価格から、ある程度値引きされたとしても、それが妥当かどうかは

需給関係を見極めなければ正しい判断はできません。

 

ごもとっもです。

二度目のバブルが崩壊した現在、売れ残った物件の値引きも、当然のように行われるでしょう。

購入を吟味するときには、周辺の家賃や中古マンション価格などの相場と比較してみるべきです。

 

煽る不動産屋さんの手口に乗っかってはいかんぜよ!という助言ですね。

そうそう。あわてて購入したものの、後悔が一生続くような羽目になることは避けたい。

 

では、値下がり始めたら、Buyなのか?

いえいえ、著者はさらに

「値下がり始めの買い漁りは禁物」と警告します。

 

不動産の市場のからくりを

従来、不動産はその利用価値や付加価値に重点をおいて価格が決まっていました。

ところが、低金利が続き 不動産からの収益が高く評価されるようになり、

やっと欧米並みに「金融商品」として注目されるようになりました。

金融商品となると、不動産に世界中のお金が集まり始めます。

一方で投資する側の資金がショートしたり、不動産の金融商品としての魅力がなくなる。

→ 値上がりや収益への期待がなくなれば、投資の熱は一気に冷めてしまい価格は大きく下落。

という、メカニズムによって大都市の不動産価格は近年、乱高下が激しくなっているということらしい。

 

確かに。。。 先日 京都の7億だか8億のマンションが売れた!と評判になりましたが、

フタを開けてみると、購入者は東京在住の富裕層と中国人富裕層らしい。

 

日本政府が観光立国を目指して、力を入れていくのを見込んで 先行投資?のつもりなのか?

なんだか、京都の景観が大きく変わってしまいそうで、良いことなのか?? 疑問ですが。

 

少し、話がそれましたが、本題にもどりましょう。

不動産は市況の転換時にあわてて購入をしてはいけない! そうな。

 

不動産価格が上昇から下落へと転換し始めた時(価格下落局面 2~3割安)に、多くの人は

間違いを犯してしまうらしい。 これからが価格下落の本番になるのにその前段階で買い急いでキズをおってしまう。

 

というわけで この章は 「はずみ」の購入は後悔の呼び水 と まとめています。

耳の痛ーい話ですが、不動産の世界では、慌てて買ったり 自分自身に急かされて買ったりした失敗例が多いそうな。。。。

人間ははやる心をなかなか抑えられないらしい。  不動産業者の煽り作戦に乗らないように!

ここは冷静に判断したいものです。

第2章 投資家を待ち構える罠

 

この章では教訓をたくさん頂戴しました。

そのまま抜粋してみます。

 

「どんな時も投資は自己責任」

賃貸マンションを経営するには、「地域の需給状況がどうなっているのか?」

「周辺の賃貸マンションとの競争力はあるのか?」

「設定した家賃は適切か?」などを考慮しなければなりませんし、今後の需給状況の見通しについても、地元事情に精通した不動産業者からヒアリングをしておくことが重要です。

 

まさにおっしゃるとおり! です。

己を知って、競合との差別化を図り、先手を打つ!。

自分の保有する不動産の立ち位置をきちんと掌握しておかないと、レッドオーシャンの真っただ中に

放り込まれることになります。 周辺の賃貸住宅との競争に負けると、

当初計画の収支見通しが狂ってくる。さらにはリスクへの準備対応を考えておかないといけなくなりますよね。 本末転倒なんて結果にならないように、不動産投資は事業と考え経営をするつもりで取り組まないといけない。

 

 

「目の届かないところに投資はしない。」

 

簡単にいうと、収益性を重視するあまりに、遠距離の物件を購入し管理会社にすべてをゆだねるのは

危険!と警告しています。

 

地方都市で15パーセントの利回り物件を見つけ購入。

当然、管理は地元の管理会社に委託、そのうち空室が増えて送金される家賃は目減りしてくる。

一方で修理、設備の更新費用の請求書は送られてきて、現状が十分い把握できないまま、管理会社との連絡も不十分。 金融機関への返済も滞るようになり、購入した金額よりも安く処分するはめに。。。

 

なんて話はよく聞きます。

そう。 共用部分の管理会社しかり、専有部分の委託管理会社しかり、

自身も管理会社さんの担当者と話をしていて思うのは、大手だから安心できるというのはただの幻想。

大手の担当者に限って 問い合わせには 「横柄」「無責任」「無感心」。

財閥系の管理会社だから安心! なんていうのは 間違った認識ですよ!!!

 

自分で確認できなければ、管理会社がちゃんと仕事をしてくれているのか? 

クレームも要望も出来ませんからね~。

結構な金額の委託管理費を徴収されているのですから、ここは ビジネスライクに対応したほうが、結果は良いと思います。

ちなみに、私の場合は 不愉快な顔をされようが、嫌味を言われようが、自分が納得するまで

つまり、要望を受けてくれるまで しつこくお願いしています。

 

というのも、所有物件の管理人さんに聞いてください~♪ とういう回答があまりにも多く、

肝心の管理人さんにあれこれ尋ねても、自分の仕事の範疇以外はわからない事が多いのです。

 

たとえば、管理人室に賃借人が決まったので、管理組合に提出する書類を確認したい!と思って、

書類のフォームをリクエストしても、記入フォームをストックしていないこともありますし、

仕方がないので、管理会社の担当者に送付の依頼をしても、たらいまわし。。。なんてことはざら。

以前、管理組合の使用細則をリクエストしたところ、

「ご自身ではお持ちではないのですか?」と回答される始末。

“手元にないから きいてるんじゃない!“ と言いたくなるのをぐっとこらえて

我慢、我慢。 という経験がありました。

 

 

さらに 読み進めて引用してみましょう。

 

もう一つ重要なことは、現地の管理会社の信頼性です。 多くの 日本の投資家は、いい加減な管理会社に騙されています。

何よりも、自分の投資した不動産の置かれている状況がリアルタイムで把握できないことが問題です。

 

やっぱり 予想通り。

 

信頼でき、綿滅なコミュニケーションが常時とれるような管理会社が存在しなければ成功は難しいのです。 管理会社とは、それほど重要なものなのです。

 

しっかりと心に刻んでおきます。

ちなみに私も一応、大家さんですが 自主管理でなんとか頑張ってます。

委託管理をお任せしたいと思っても、お願いするまでのハードルがとても高い。。。。。

まあ彼らからみると まったくうまみの無い大家だからかな? 喜んでいいのか?

悲しんでいいのか? でも結果オーライですね。

 

というわけで この章のまとめ! 著者のコメントをそのまま引用させていただきます。

 

・購入価格そのものが高かった。絶対値が高い場合(100億円、200億円)は希望者はすくない。

・場所が悪かった。環境が悪い。

・不動産のメンテナンスが悪い。

 

投資家として強く認識しておくべきなのは、「買うときに、売るときのことを考えておく」

と同時に「どんな人が買ってくれるだろうか」と想像しておくことです。

残念ながら、こうした失敗は今も繰り返されています。

これから投資を行う場合にはもう一度、本章で説明をした項目に目を通してください。

 

素直に 「はい。今一度、冷静になって 考え抜いてから、結論を出そうと思います。」

答えてしまいました。

いろいろな不動産投資についての著作はあるけれど、ひょっとしたら、いざというときの為に

手元に置いておいていても良い本。

 

いかんせん、「いけいけどんどん」的に「煽り」の題名を冠に(今後も参考として取り上げて参りますが)

多くの不動産投資本は書店で見かけますが、肝心の

投資が成功するのか? しないのか? についてはあくまでも 個人の「自己責任」で残念ながら締めくくられて終わってます。

当たり前ですが、勝ち組に残る為には、それなりの「勉強」と「情報収集」が必要になってきます。

勉強して、万全だ!と考え抜いた挙句、投資したものの、リスクとは無縁にはならないのが悩ましい。

 

売りのタイミングなのか? 買いのタイミングなのか?

本書はさらに警告してます。

さらに引用してみます。

 

①不動産事情の動向

>価格や売れ行き、在庫の状況 の収集(もちろん直積的に集める)

②市場動向の方向性

>トレンドを知る。 EX:不動産の価格が上昇傾向にあるのか?下落傾向にあるのか?横ばいなのか?

*重要なトレンドは上昇から下落へ、もしくは逆に下落から上昇へなど転換点のサインを見逃さないこと。

 なるほどねー。

ベーシックな内容で無駄な情報もない。 

新書なので安価というのも嬉しい。

不動産投資・勉強をされている方は手引書としておすすめしたい内容、

もっと評価されてもいいのでは? 

いかんせん、出版社は「日本経済新聞社 日経プレミアムシリーズ」

おまけに新書、帯のコピーも 危機感狙いで いささか陳腐で時代遅れ。

売り方の視点とアプローチを変えればもっと売れそうな本なのに。。。。

残念です。

 

 

失敗に学ぶ不動産の鉄則 (日経プレミアシリーズ)

失敗に学ぶ不動産の鉄則 (日経プレミアシリーズ)