*乱読事始め*

気の向くままに視覚に入った本・インスピレーションを感じた本の感想を書いてみます。

カイジ-命より重いお金の話 木暮 太一:大人になったら読んでおこう。

木暮さんの本はわかりやすくて 理解が難解なトピックでも

するりと頭の中に入ってくれる。

本書はマンガ 「カイジ」の主人公:伊藤開示くんを

モチーフにして マネーリテラシーをやさしい言葉でレクチーャ

してくれる良書です。

 

冒頭に出てくる 著者の言葉を引用したい。

 経済を知ることでより良い生き方を選択できるようになる。

(経済学はお金を稼ぐための学問ではありませんが。。。)と

木暮さんは 注釈をいれていますが、

お金と経済の関係は知っておいた方が良い。

そのためにも 学校教育では決して教える事のない

お金の勉強をしておこう! ということなのである。

お金の知識が無いために 不幸にならないように。。。。

「稼ぐ」「貯める」「使う」「守る」

特に本書では 「使う」「守る」のスキルを強化するために

備えようと 警告してくれる。

 

記憶しておきたいトピックは3つ。

 

1)借金をすることに躊躇しなくなる若者。

このままでは一億総借金時代が到来する。

消費者金融からお金を借りて、生活の足しにします。」

中略

NTTデータ経営研究所が実施した「消費者金融利用者の人物調査」の結果によると、全体の4割程度の人が

「生活の足し」として消費者金融を利用していることが明らかになりました。

つまり、何か欲しい物があり、そのためにお金を借りるのではなく、衣食住という当たり前の生活費が工面できないから借りているというのである。

これはショックだ!

生活費を工面するための借金返済は困難であるし、しかも多重債務者の数は現在高止まりで、一度 カイジのように借金地獄に陥ったら救うための制度(法整備)は今の日本には十分に用意されているとは言えないそうです。

こんな現実であるにも関わらず、世の中はまるで借金をすることが

悪いことではない。もっと気軽に借金をしよう。という風潮になっており、その甘い考えが 「一億総借金時代」の引き金になるのでは。。。と作者は懸念しております。

「生活費」工面の為の借金は 自転車操業のごとく、

返済しても また「生活費」が足りなくなって

さらに「生活費」を借金してしまうんですからね。。。

お金の使い方を見直して、安易に借金に走ってはいけません。ということで。

 

2)元金均等返済と元利均等返済の違い

元金均等返済とは?

>もともと借りている元金を返済期間で均等に割り振り、それを毎月返済していく形式

 

元利均等返済とは?

元金と利子をあわせた返済額が毎月同じ額になるように支払っていく形式。

 

さてどっちが有利なのか?

以下そのまま 引用します。

 

多くの場合は「元利均等返済」が選択されます。この方が月々の返済金額が少なくて済むからです。

しかし、実は金利を先に支払う方が圧倒的に不利!なのです。

なぜ?

それは、「元金が減らなければ 金利がかかり続けるから」です。

こわいですね。

私も 金融リテラシーがまったくないまま、銀行ローンを組んでしまったので、確認したところ、

しっかり「元利均等返済」になってました。

銀行にしてやられた。というか、知識が無いと毟り取られるということですね。

 

3)単利と福利の大きな違い

単利とは?

もともとの元金にのみ金利がかかる計算方式

福利とは?

発生した利息にも金利がかかってくる。

 

実際計算してみると、その差は大きいが それは

本書で確認してみてください!。

 

 

かつて、あのアインシュタイン

「福利は人類史上最大の発見」と言葉を残したという説があります。

 

真偽は定かではありませんが、それだけ福利の威力はすごいのです。

銀行の定期預金利息が 福利なら WELCOME なんだけどね。

 

どうです。 お金の生きた勉強。

明日から活用できそうな スキルですよね。

カードでお買いものをするときも ポイントにばかり

気をとられて、リボ払いを選択しては NGですよ。

「元利均等返済」方式ですからね。

毎月の返済額に占める利子の割合が増える。

=元本の返済がなかなか進まない。

さらに この時の利息は 福利というおまけつき。

まさに 蟻地獄です。 

カモネギにならないよう 知識武装 しましょうと

本書は わかりやすく説明してくれています。

他にもいろいろトピックはいろいろありますが、身近な

注意喚起は上記3点。

渡る世間は鬼ばかり」を実感できる一冊でした。

 

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