人殺し医療(マフィアが支配する現在メディカルシステム)-ベンジャミン・フルフォード:勉強になりました。自分の病気の事、家族の病気の事はきちんと把握しておこう。
人殺し医療 マフィアが支配する現代メディカルシステム
ベンジャミン・フィルフォード氏はいつも衝撃的な題名の著作で
「これってホント?」と思われるような’’陰謀説’’で 脳味噌を刺激し、
私達の目の届かない裏側の世界を詳らかに展開してくれる。
本書を手に取ったきっかけは「群馬大にて腹腔鏡施術後8人の患者が死亡」のニュースがきっかけ。 腹腔鏡の手術はかなり高度な技術が必要となるので、事の行方が気になっていた。
日本の医薬品・医療機器の申請は PMDA(医薬品医療機器総合機構)の審査がとても厳しいので、承認までのプロセスに時間がかかりすぎる。
(つまり、承認の進捗をスピードアップできないのか?)
と言われていますが、
読後は 審査を慎重に進めるのは良識のある証拠なんだ。と思ってしまう。
厳しい承認審査といわれていても、最近 ノバルティスファーマー、ファイザー製薬 が副作用による業務改善命令が出されているので、水際で防げるものは何とか防御してほしい。
副作用が出るような薬なんて 恐ろしくて、服用できない。と思うのは私だけ?
ノバルティス・ファイザー製薬の副作用による業務改善命令 がでましたしね~。
ファイザーに業務改善命令 副作用報告遅れ ほかに5社も (産経新聞) - Yahoo!ニュース
気になるトピックをPick Upして 記憶にとどめておきたい。
第一章 知られざる殺人医療 全米第一位の死因は医原病
アメリカで第一位の死因 医原病の驚愕する事実を説明してくれている。
ここで、 医原病とは? 何か? をきちんと理解しておこう。
本書から抜粋
医原病
「医療行為が原因で生ずる疾患のこと。 医源病、医原性疾患も同義」
病院で治療を受けた結果、それが原因となって病状を悪化させて死亡したという意味。
納得出来うる範囲ではあるが、アメリカ・イギリスの医療過誤の報道を列挙し、
院内感染や投薬ミスなどの医療過誤、診断や処置を間違えるなどの医療ミス、薬害や医療品の副作用、医療器具の不具合 等々により引き起こされたニュースは、現実の出来事であると嫌というほど認識。
日本でも群馬大のケースのように大きな扱いではないが、某病院の婦人科手術で連絡ミスにより、医療ミスが起きたとの報道があったから、公にならないだけで 日常茶飯事で起きているんでしょうね。~ 考えただでも、恐ろしい。
第二章 ‘’人殺し’’西洋医学の惨状 病をマネーに換える錬金術
アメリカの医療技術は世界一、と言われているのに、全米NO.1の死因は医原病。
この章では医療体制の運用そのものが「人を殺す」ように制度設計されてきた実態を教えてくれる。
しかし、表現がかなり過激! 医療体制の運用が「人を殺す」 ですからね~。
アメリカも1950年代までは超大国にふさわしい世界最高の医療体制を誇っていた。
大きく変革の舵を切ったのは、1970年代。ここから医療訴訟が激増。
医療過誤訴訟による賠償支払額が18倍に増加。医療裁判保険を扱っていた保険会社が次々倒産。保険加入できなくなった医師や病院が医療行為をストップする事態に!
結果、1960年代の保険料が1975年には30倍に跳ね上がる。
医療行為を継続するには 高額な保険料を治療費に上乗せしなくては立ち行かない。
非営利病院や地域医療を行ってきた各自治体は予算不足に陥り、地域の中核病院であった公営病院を売却するか閉鎖することになってしまった。
すべて「過去形」になってしまった。 古き良きアメリカ。
日本も同じ道程を歩むのか?
医療とは関係のない医療訴訟にかかる経費が膨大な金額になってしまったので、肝心の医療体制が崩壊してしまったということですね。 身もふたもない結果に。
医師や病院は医療訴訟が恐ろしいので、 医者は 防衛医療と過剰医療を延々と繰り返し、すぐに治る病気をわざわざ悪化させて必要のない医薬品が大量消費される。
この悪循環を終了させるには
① 患者が死ぬ。
② 治療費が払えず自己破産する の究極の選択肢。
アメリカの医療は事実上、医者の「言い値」
医療訴訟は医療費高騰と自由診療化、病院の株式会社化という形で現れる。
手術で身ぐるみを剥がされる状況になれば、当然 実績のある医師は危険な手術のリスクに見合った報酬を要求する。 本書では ブラックジャック現象 と呼んでいる。
どうも 手塚治虫先生の作品 「ブラックジャック」の孤高な医師とはかなり違うらしい。
自由診療化が進んだ結果、実績のある医師の確保が困難になり、自治体の医療機関や非営利の病院は先程と同じように維持することが難しくなり、民間への売却を余儀なくされる。
民間となった病院は利益が目的なので、病院の株式会社化が進む。
病院の株式会社化は初期費用のコストがかかるので、ファンド形式で資金を調達するが、そのエリアの地域住民や地元企業、名士、各種団体などが、新病院の株式に出資。医療体制を維持するのが目的だが、きちんと運用すれば、再建できる制度であるが、
利益を優先し本来の医療が蔑ろになっていることである。
カナダ人のベンジャミン氏が語るだけに、説得力がある説明。
マイケル・ムーア監督の「シッコ」を鑑賞した時にもかなりショックを受けたけれど、
入院費用の支払い能力が無いと病院を追い出されるのもうなずける。
「死の商人」となった2つの大手病院チェーン
アメリカ最大の病院チェーン「テネット」と「HCA」を名指しで挙げており、
アメリカ医療システムの深い闇と欠陥を説明してくれる。
これらの病院は風評はかなり悪い。この病院に入院して生きて帰ることができるのか?
と言われるぐらい有名?だそうな。
そのからくりを記録しておきたい。
本書から抜粋してみよう。
テネットの収益構造は、他の優良な病院を買収して潰し、新規に病院を建てる建設費が前提となっている。莫大な資金が必要となるのだ。
そこで、テネット創業者でCEOだった ジェフリー・バーバコウは病院ぐるみで不正請求を行ってきた。要するに偽計取引による「飛ばし」で架空の売り上げを計上、株を不正操作して調達資金にしてきたのだ。
まだまだあるぞ~。
それがバレそうになると、ついには、医者としての最低限モラルまで捨て去り、悪魔に魂まで売り渡す。儲けを出すためにテネットチェーン病院で、病気でもなんでもない人にどうでもいい手術を繰り返すようになったのである。
かくして「悪魔の病院チェーン」は手術の必要がない数百人に冠動脈のバイパス手術をしたとして、FBIの強制捜査を受けて破綻した。
(当然です。 アメリカにも良心のある人がいた。)
しかし、まだ 甘かった。
悪が滅んだわけではない。 FBIの捜査直前、ジェフリー・バーバコウはあろうことか、ストックオプションで自社株を売り抜け、まんまと1億2,000万ドル(約100億円)の巨大な利益を得ている。
株式代表訴訟で返還を求められていても、知らぬ存ぜぬ、その資金力を背景に医療系ロビイストとなって、暗躍、
TPPで日本にアメリカ型医療を押し付けようとしている勢力の黒幕と目されているぐらいなのだ。
こわ~い。もう少し 本書から抜粋してみよう。
HCAもテネットに負けていない。
設立当初は評判も良く、むしろ良心的な病院チェーンだった。
しかし、良い評判で人気を集めれば 当然 テネットの目に留まり、買収の対象となる。
アメリカで良心的かつ健全に病院を経営すれば、すぐに利益率が下がって株価が低迷。
株が下がれば、買収のリスクが高くなる。
というわけで、HCAがテネットに買収されない唯一の手段は、たった一つ。
競合以上に悪質に稼ぎ、ライバルチェーンより不正請求や不正手術で売り上げをかさ上げし、テネットより高く自社株を上昇させて資金力を集める事だった。
これが経済用語で「ヴァンパイア効果」である。
HCAはテネットと激しく競合していた2000年と2002年、不正請求でアメリカ政府に970億円、1,050億円という巨額の示談金を支払っている。
(どれだけ 不正請求していたのか? 金額が大きすぎる。)
2005年6月 HCA株が暴落する直前、HCAを創設したトマス・フリスト・ジュニアは、テネットのバーバコウ同様、株を売り抜けてインサイダー取引の疑いをもたれた。
ちなみに株の暴落を予見できたのは、彼の弟(ビル・フリスト)が共和党の幹部だからという。
そして、その黒幕?は 医療システム?医薬品業界? と続く。
国民皆保険制度こそなかったが、1950年代まではアメリカの医療システムは健全だった。
「医療訴訟」の多発により、病院と医師が敗訴し、懲罰的損害賠償で高額な賠償金の支払いがなされるようになると、医療裁判用の保険など経費が上昇。
その分、治療費の高騰し保険組合などの公的機関がもちこたえられなくなり、破綻。
非営利の病院(民営化)がすすみ、巨大チェーン病院が増えると、利益追求の為に
「人命救助」のではなく「利益」の為に自由診療が幅を利かせてくる。
そうなってくると、後は 病院の利益を優先するので、命に係わることのない、
「無駄な検査」や「治療の増加」により 治療費(利益)を上げていく。
医療費負担が増えれば民間や公的機関の医療保険料も上昇する。
そうして高額な保険料と医療費に耐え切れなくなった患者が増え、超先進国のアメリカで
6人に1人の割合で無保険状態となる。
余談ですが、
仮に保険加入していても、保険の適用条件が厳しすぎて保険の還付を待っている間に手遅れになっていくことも日常茶飯事。まさに 「命はお金次第」という、地獄に陥る。
日本も対岸の火とばかりに傍観しているのはいけないかもしれない。
こんな状況を可能にできるのは?
アメリカの医療品業界。なんだそうな。(副作用報告が遅れた。ファイザー製薬とか?)
アメリカ産業界で国際競争力を持ち、世界をリード(圧倒)しているのは、医薬品がダントツなんですって。
アメリカの医薬品リーディングカンパニー
ファイザー製薬(バイアグラで有名)年間売上6兆円、純利1兆円、利益率17%
を筆頭に上位5位までアメリカの会社がランクイン。
世界の医薬品市場80兆年(2006年)の半分以上をアメリカ企業が稼ぎ出しているのである!。
これらの メガファーマーを支えているのが、無保険者の方々。
アメリカ企業は「治験」のスピードが驚くほど速い。その訳は新薬開発の臨床試験に協力する無保険者(推定 4,600万人)の方々が多いから。
命が助かる為とあらば、藁にでもすがりたい無保険の患者は治療費が無料とあらば、喜んで治験の協力を申し出る。
需要と供給のバランスが成立し、あっという間にデーターがそろって、FDA(アメリカ食品医薬品局)の許可を受け、販売が可能になる。
日本でも治験協力のCMやチラシをたまに見かけるけれど、
治験に持ち込むのは 動物実験が終了した段階で、人間にも効果があるか?どうか?確認するために臨床実験を実施。 その後はファイズ1、フェイズ2 を経て FDAの許可を受ける。
そのプロセスは、本書で確認した方が良いかもね。
ちなみに、私は余命3ヶ月になれば別だけど、「治験」に協力しかねます。
ベンジャミン氏ははっきり明記しています。
「驚かずに聞いてほしい。 新薬はまったく薬効がなくてもまったく構わないのである。」
ええええ!
FDAの正式認可を受け、メーカーは製造販売できるようになる。つまり、治験チームの医師たちが実地でつかってくれれば、メーカーの売り上げが伸びる。薬効よりも、新薬のリリースが目的なんだ。
なるほど。
おまけに
「よく医薬品メーカーが、一つの新薬に何百億の研究開発費を使うというが、なんてことはない。研究開発費を使って認可したばかりの薬を使用させているだけ。莫大な研究費は新薬販売の形でちゃんと戻ってくるようになっているのだ。」
ということなので、新聞なんぞで見かける「○○薬品新薬開発に○○○億円 を投入」なんていうCaptionに驚くことはないのである。
ちゃんと市場に出た時点で利益は確保できているので。~♪。
話はかなり誇張気味になるが、記憶の片隅にとどめておきたい。
この章のまとめを見てみよう。
「医療荒廃」「最貧困の実験動物牧場化」そして莫大な数の「医源病」の死者。
これに共通するのは「西洋医学」である。
さらに西洋医学には 構造的な欠陥があり、言い換えれば西洋医学を国民の医療体制に資している限り、日本だろうが、イギリス以外のヨーロッパ諸国だろうが、どんな国や地域でも、必ずアメリカやイギリスで起こった悲劇、大量殺戮が怒ることを意味している。
この恐るべき「現実」は早いか遅いか、あるいは気づいているかいないか。
それだけの話となっている。
第三章 医療ギルドの成立
第四章 日本医師会という闇
第五章 医療マフィアの誕生
第六章 「医者不足」の嘘
終章 国際医療マフィアの陰謀
と続いていく。
第三章以降は 過去の事件を取り扱っているので、
他の著書とトピックが重複する際に 取り上げたいと思う。
日本人として日本の医療制度を利用している身としては、ベンジャミン氏の警告を真摯に受け止め、私達の権利を奪われないように、政治家やお役人、医師会の動きを注意深く見守っていくことが大事。
そして、お医師様に依存せず、自分の身体と病気の事ぐらいは把握しておこう!
「毒をもって毒を制す」→ 薬は飲みすぎに注意しないと効能を超えて毒となる。
ネットで1分もあれば薬の効能は検索できるから、処方された薬について理解しておかないといけないな~。
大変勉強になる本でした。
今後も医療業界の系の本を引き続きチェックしたいと思います。